2012年6月1日金曜日

ガレリア座人物譚~その3

ガレリア座の“監督”4人目は美術監督。 このポストがいつから創設されたか調べてみたところ、2006年の第18回公演「モンマルトルのすみれ」(カールマン作曲)で初めてクレジットされています。まだ僅か6年というのに彼の存在感と責任はますます大きくなっています。その口数とは反比例するように…。長谷部和也君。たしか前任の美術担当が、ぜひにと連れてきた若者は、私の必要とする小道具をいつの間にか準備してくれました。私のあいまいな指示も、雑然としたイメージも彼にかかると明確な“モノ”となって現れます。「いや、すごいねえ。見事なもんだ!」私がどんなに讃えても彼の反応は決まって笑顔ひとつ。驕ることなく、偉ぶることなく、多くを語ることなく、文字通り“黙々と”仕事をこなしていく職人、それが長谷部君です。 彼の仕事を信頼し、美術担当スタッフだった彼に「美術監督」を任せたいとプロポーズしたときの反応を覚えています。はっきりした声で「やります」と一言。見かけよりずっと若い年齢に似合わず、監督職の厳しさを理解した力強い一言でした。以来、彼とはガレリア座以外でも多くの舞台を創ってきました。じつに頼れるスタッフです。でも、一緒に高津小道具の倉庫で道具選びをしているときの彼だけは許せません。じつに、じつに優柔不断で、気の短い私をイライラさせるのです。「やへ(長谷部君の愛称)、どうするの?こっちの白いテーブル?それともこっちの茶色のやつ?どっちがいいの。僕はどっちでもいいんだ。決めるのはあなただから。」これが延々繰り返されるのです、テーブルでも、椅子でも、ソファでも!!それさえなければ、やへ君は最高の美術監督なんですけどねえ。

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